GW初日にナンパに挑戦した結果
GW初日に超初心者がナンパに挑戦してみました!
ナンパ初心者の僕が、GW初日にナンパなんてするつもりなかった。
ただ、男子高出身の同級生が3人集まり、酒を飲み、一通り最近の出来事を共有し、
会社の愚痴を言い終わった後、話す内容といえば下ネタ程度しかないのである。
悪友の一人が「GW中って、みんな休みでしょ。そんな中ナンパスポットに繰り出せば通常よりも勝率が間違いなく高いんじゃないか?そんなとこにいる女性は間違いなく寂しさ埋めに来てるでしょ?」
なぜかこの一言に、同意し、だれも反論する者はいなかった。
話し合った末、繰り出した場所は、ナンパスポットとして、数年前から人気の恵比寿の某スタンディングバー。
店内は、一様に出会いを求めにやってきた猛者どもで、溢れていた。
屈強なナンパ慣れした男どもが、次から次へと女性に声をかけていっている。
すべての女性が誰かしらの男につかまっている。
通常の世界では考えられない異様な風景である。
そのような「新世界」の中で、ナンパ初心者の僕は、間違いなく「イーストブルーにいるガイモン」だ。
シャーロット・カタクリほどの見聞色がなくても、結果は見えている気がした。
ナンパとは、自信がものをいうらしい。おどおどした時点で確実にキモメン認定だ。
決して、ぎこちない態度で声をかけてはいけない、と多少場数を踏んでいる悪友は言っていた。
しつこくならないように細心の注意を払い、あくまで爽やかに、何事も経験である!
そういう心持ちでいた。
しかし、いざ戦場に出てみると心が震え、しばらく、カウンターで一人ビールを飲んでいた。完全に地蔵状態だ。
勝負は終電がなくなったミッドナイトからである。
ようやく酒も身体に回りはじめ、胸が高鳴る。
酔わねば、アラサー男子にも関わらず、身も程もわきまえずナンパするにはハードルが高い。
いざ出陣なり!!!
そう心のエンジンを全開にした瞬間に、
「ねぇ、ねぇー」と不意に声をかけられた。
振り返ると、そこには、細身の可愛らしい女性が立っていた。
「もし良ければ一緒に飲まない。お兄さんのことタイプで少しお話したいなって思ったの」と女性は話した。
これはもしや逆ナン??!
なんだこの平成の最後に現れし、天使は!!!
僕は完全に動揺した。
「ぼ、ぼ、ぼくもタイプです」
ん?どういうことだ!このキモメン全開の気の利いていない一言は。
動揺が相手に丸見えではないか。
もっと周りの猛者みたいに洒落た一言でも言えないのか。
本当にタイプの女性であったため、これ以外の言葉が思いつかなかった。
このチャンスは絶対にものにしないといけないと感じ、僕は懸命に持てる力を振り絞ることにした。
つづく